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何でウインブルドン その4

そのときに感じたこと。

1、選手は投資対象の商品であることを自覚すべき。

ジュニア選手がトップ選手を目指すのは夢だと思います。
しかし、現実的にはトップ選手になると言うことは、マネージメント会社がつき、活動費用の捻出のため企業側から価値のある選手とならなければなりません。

私は日本人にはこの観点が甘いと感じました。

日本人は夢を追いかけることと経済活動を混同して話すと嫌がる傾向にあります。

でもプロ選手を目指すと言うことは自分にいくらの時間と金を投資できるかに違いがありません。

はたからみればグランドスラムジュニアにいる海外の選手も日本人の選手も内情はわかりません。

ただ、ナショナルの遠征でお金が出てくることが当たり前と思っている日本の選手と、せっかくのチャンスに世界を目の当たりにすることができてそこから必死に何かを得ようとしている選手、お金を出してもらいそこに来ていることを心から感謝できている選手とではその場所にいる時間の濃度の濃さが違います。

最初はお金なんかみんなありません。

だからこそ自分の熱意を伝え、自分の可能性を伝えどこかからお代えを引っ張ってこなくてはなりません。

テニス選手が世界に出て行くということ、プロになると言うことは経済活動なのです。

そして誰よりもお金を出してもらっていること、誰かの期待があると言うことに応えるため必死に自分のための努力をしなければなりません。

私は日本人が豊かだから感謝の気持ちを忘れたとか行っているのではありません、誰かからお金を出してもらい、自分の可能性を伸ばせると言うことがどんなことか理解しさえすればいいと思います。

プロの世界でやっていくためには信念を突き通す「理由」が要ります。
この「理由」を探し出せた選手は必ず成功すると思います。
それは杉山愛選手が言っていた「自分探し」と同じことかもしれません。


2、勝負に出る気持ちを持つ

この3年間ほど様々な選手を見ていて思ったことは、選手は勝負しなくてはならないと言うことです。

勝負に出るということは何かを捨て、何かを得ると言うことです。

日本人は何かを捨てることがとてもへたくそだと思いました。

ここぞってポイントのとき相手に期待してしまう。
リスクをとらない。
その壁が超えられず堕ちていった選手を数々見ました。

勝負のそのときリスクをとることを前提に練習すればよいのです。

勝負のときサーブ一本で決めれたら楽ですよね、勝負のとき一発のフォアハンドに自信があったら、絶対カウンターで決めるならそこでもいいかもしれません。

リスクをどうせとるなら一番自信のあるもので。
そしてその自信は作るものだと私は思います。

スペインに行ったとき引退したはずのアランチャ・サンチェスが練習をしていました。
見ているとずっと振り回しをしているのです。

私はコーチに尋ねました、「何か試合があるのですか?」、コーチは答えました「いいや試合はないよ、彼女は現役のときこの2倍以上振りまわしの練習をしていた、すぐにやめると体調が崩れるから徐々に落としてやっとここまで来たんだ」といっていました。
私はずいぶん前に引退したのに!と驚きました。

フットワークが武器の彼女はそ、こまで自分の武器を高めていたと言う一例です。

ここまで高める武器だから彼女はそれに賭けることができたのでしょう。




つづく


コーチ日記 | 投稿者 winglobal-y 10:09 | コメント(0) | トラックバック(0)
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